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学習の段階

動物が何か新しいことを覚える、学習するときには4つの段階があるとされています。

習得(Acquiring) : 行動を身につける

熟練(Automatic) : 行動を流暢に行う

般化(Application):  行動をさまざまな状況で行える

維持(Always) : 行動がいつまでも確実にできる

例えばフセという行動を犬に教える場合、フセという動作を覚える(習得)、フセの動作をスムーズに手早くできるようになる(熟練)、フセが色々な場所や状況でできるようになる(般化)、フセという行動が何年経っても確実にできる(維持)

この考え方でいくと、家の中でしかフセができない、食べ物を手に持っているときしかできない、といった問題は学習の段階が途中までしか進んでいないといった事になります。

教えた行動がどんな状況でもできるようになったら・・・すごく賢い犬ですね!ってお散歩中に会う人に絶賛されるかも。なにより何処でも同じ行動ができるというのは、その犬の性格の安定感へも繋がるものだと思います。

この4段の中で最も難しくなるのは般化の段階です。

行動がある程度できるようになってくると犬に対してこちらも求めるものが大きくなってきます。時には友人に教えたものを見せようと、初めての環境でさせてみようとするかもしれません。

すごく興奮しているときにも犬に教えたことをさせようとします。そして上手くいかないときはもっと必死になってしまう・・・。擬人化した中の話では、犬は分かっているのにわざとしない、なんて言われてしまいますが、犬の身になって考えれば、まだその状況での経験値が足らないので何をすればいいか分からない、というのが理由だったりします。

この段階を上手に乗り切るコツは、その犬に無理のない範囲で少しずつ出来る場所や状況を増やしていくことです。そして上手くいかないときは基準を下げて少し簡単な状況からやり直すこと。

犬はトレーニングしていけば行動は変わっていきますが、その過程は慎重に(時には大胆に?!)焦らず一歩一歩進んでいくと成果が出てきます。

おもちゃのレトリーブ(持ってきて)も学習の4段階を意識することが大切です。般化の段階を丁寧にトレーニングしていくとイタズラした物でも指示で持ってきて渡してくれたり、初めての場所でも指示をかければすぐにオモチャを拾って持って来れるようになります。そのためには決めたオモチャだけはなく持って来れるオモチャの種類をどんどん増やす。場所や環境を変えて練習してみるといったステップが重要になります。

うちのビーにはドアを鼻で押して閉める、という行動を教えていますが、いまだにinthedogのドアは上手に閉めてくれません。

これこそ般化ができてない。単純に練習をサボっているからですね・・・。

※この記事は2010年10月4日のブログを加筆修正した内容となっております。