なぜお散歩では犬にリードを付けるのでしょう。それは車や自転車などの危険から犬を守るため。また歩行者や、散歩している他犬に不快な思いや迷惑をかけないため。犬を飼っていない人や他犬が苦手な犬たちにとってオフリードでいる犬の存在は恐怖。犬にリードを付けて歩くことはマナーとモラルを守るためにとても大切なことです。
ただし付けられている犬自身にとって、リードの存在は必ずしも良いものとは限りません。リードが付いている時の犬の心理。リードの張りと弛みの状態の変化を気を付けることはお散歩の質を高めるために重要なポイントとなります。
犬にとってリードが張るとは
リードを付けて決められた範囲を歩くということは動物にとっては非現実的な体験です。行きたい場所
にも思うようには行けず、そこから立ち去りたくても離れられない。特に散歩デビューしたての犬にとってはフラストレーションの高い体験と言えるでしょう。
お散歩中になんらかの刺激を怖がる犬はリードの状態に気を付けなければいけません。例えば他の人が怖い、苦手と思っている犬を連れて散歩をしていたときに誰かが触ろうと近づいてきたとします。本来リードが付いてなければ、犬はその場を立ち去れば安全確保できると思うでしょう。けれどリードが付いていると逃げることはできません。そのままにしていたら怖い存在に追いつめられる形になってしまいます。そんな経験が続くと犬は自己防衛のために吠えるや咬むという行動を覚えてしまう恐れも。
また興奮しやすい性格の犬の場合、興奮したときにリードが張ってしまうことは多いでしょう。その時の張る感覚は犬の興奮を助長し、より強い行動に変わってしまいます。
このようにリードが張ることは多くの犬にとって正常な判断や行動を奪ってしまう可能性があるのです。この「張り」をどれだけ減らせられるかが散歩トレーニング中に最も重要と言っても過言ではありません。
犬との暮らしにかかせないリード。正しく犬に使い、歩行者と飼い主、それと犬自身にとって安心を感じられるような存在にしてあげて下さいね。